2025年02月15日

Session5 2025年 画餅洞の出品商品紹介 第三弾 No.23〜28

No.23 アイヌ イタ.jpg「Session5」のインスタグラム公式アカウントでも各店舗順次、出品商品の紹介をしていただいておりますが、こちらは画餅洞アカウントで紹介している画餅洞のSession5出品商品リストです。
画餅洞のアカウントで紹介している順番通りにアップいたします。

インスタでは複数枚の画像も掲載しておりますが、ブログでは画像少なめと簡単な説明になるかと。
ご興味ございましたら店頭、お電話、インスタグラムのダイレクトメッセージにてお問合せいただけますと幸いです。
会期の1週間ほど前までは、店頭での下見も可能ですので、お気軽にお声掛けください。

では、第三弾。

Session 5 画餅洞出品商品 No.23〜No.28

No.23 アイヌ イタ 1.jpgNo.23 アイヌ イタ

売約済み。sold.

直径:約34.5p
縦幅:約30.0p

江戸後期〜明治ごろ。


No.23 アイヌ イタ 2.jpg虫喰い、小さな亀裂有り。
時代のスレ、汚れ有り。
ガタつきはほとんどありません。


No.23 アイヌ イタ 3.jpg東北の浄法寺から交易品としてアイヌに渡り、アイヌ人によって紋様を彫られ、再び交易商に頼んでベンガラを塗ってもらったという稀なイタとお聞きしました。
アイヌのイタはアイヌの人が木地盆として仕上げたものがほとんどです。
イタにベンガラ塗りはおかしいのでは?という疑問もありましたが、アイヌの人が手に入れた浄法寺盆に彫りを施してから交易商に塗りを依頼するというパターンはたまにあったようです。


No.23 アイヌ イタ 4.jpg盆自体はどう見ても江戸後期〜末期ごろの浄法寺系盆です。
祭器になる椀や耳盥などと一緒にアイヌに渡ったのでしょう。


No.23 アイヌ イタ 5.jpgもう一つ、非常に面白い話も教えていただきました。
これはひょっとすると東北アイヌのイタではと。
私自身すっかり失念しておりましたが、明治の初めくらいまで青森、秋田、岩手の山間部には東北アイヌと呼ばれるアイヌ人が存在したという事実。
北海道アイヌでは見かけぬこのパターン、盆の時代、産地から考えると、詳しくは研究されている方に委ねる必要がありそうですが、そういった可能性もなくはないと。

いろいろ書きましたが、酒器盆として映えます。


No.24 アイヌ ニマ 1.jpgNo.24 アイヌ 大きなニマ

売約済み。sold.

最大幅:約51.5p
高さ:約10.3〜13.8p

明治〜昭和初期ごろ。


No.24 アイヌ ニマ 2.jpgアイヌ彫りは後世の彫りではなく、当時のものと判断しました。


No.24 アイヌ ニマ 3.jpg


No.24 アイヌ ニマ 4.jpg亀裂2本有り。
スレ、汚れ有り。
洗い鉢としたのか、真ん中に意図的に開けられた貫通している穴有り。
これは水抜き穴と思われます。
これがなければ捏ね鉢としました。


No.24 アイヌ ニマ 5.jpg先ほども書きましたが、意識的にど真ん中に開けられたと考えられる穴は水抜き穴と判断し、通常は捏ね鉢と表記されるタイプですが、大きなニマ、洗い鉢としました。


No.24 アイヌ ニマ 6.jpg使い込まれた道具の貫禄にアイヌの彫りが光ります。

No.23のイタと併せて、どうして京都のうちの店なんかに来たのか…とちょっと思っております。


No.25 漆重層隅入小盆 1.jpgNo.25 漆重層隅入小盆
お値段はお問い合せください。

横幅:約20.8p
縦幅:約13.0p
高さ:約2.8p

時代・産地不明。
箱有り。

No.25 漆重層隅入小盆 2.jpg当たりキズ、小欠け有り。
骨格に木の部分があるのかもしれませんが、ほとんど漆の層によって形作られたものです。
塗っては研ぎを数えきれないほど繰り返してできたもの。


No.25 漆重層隅入小盆 3.jpg持ち重りし、見た目以上にどしりと重みを感じます。
漆の塊と思います。


No.25 漆重層隅入小盆 4.jpgうっかり地獄のなんだか開けてはならないものを開けてしまったような印象です。
売り口上どころかちょっとマイナスになるのかもしれませんが、そんな深淵をのぞき見る様な漆の世界。
菓子皿、ペントレイにどうぞ、なんて言葉が出てこない執念の様な積み重ねの結末。
もはや依頼された仕事などではなかったのではと推測。


No.25 漆重層隅入小盆 5.jpg漆重層隅入小盆。
堆朱とは呼べないまでもその様な漆の塊。

明るさ、軽やかさなんて皆無です。
深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだとか。


No.26 漆職人の板 1.jpgNo.26 漆職人の板

売約済み。sold.

横幅:約66.0p
縦幅:約37.5p
厚さ:約2.3p

時代・産地不明。


No.26 漆職人の板 2.jpg漆職人の作業の過程でできる定盤とは違い、意識的に仕上げた漆の板と考えております。
これといったキズはありません。
脚なしというのが案外ないものです。


No.26 漆職人の板 3.jpgいつも書いておりますが、骨董の世界にあって時代、産地を問わない不思議なジャンルです。
この手のものを扱う時、引き合いに常にジャクソン・ポロックの名が出てくるのは個人的になんとなく不満です。


No.26 漆職人の板 4.jpg骨董商的にはこちらの方が先で古いし、という思いもありますが、無理矢理寄りかからなくても最初っから漆の世界は充分アートだと。


No.26 漆職人の板 5.jpg一枚の絵を観る様な気持ちで。


No.27 漆職人の飾り台 1.jpgNo.27 漆職人の飾り台

売約済み。sold.

横幅:約54.0p
縦幅:約18.7p
高さ:約5.0p

時代・産地不明。
若狭塗りか。


No.27 漆職人の飾り台 2.jpg一部小さなメクレ有り。

元はまな板でしょうか。


No.27 漆職人の飾り台 3.jpg前投稿に続きまして漆職人の漆台。
こちらも意識的に仕上げたものと考えております。
偶然とただ作業を続けた過程で現れる景色ではありません。


No.27 漆職人の飾り台 4.jpgまたジャクソン・ポロックの話ですが、ちょっと心がアレで絵画療法を受けていたポロック。
治療のため比喩的な絵も多く描いたようです。
そこから生まれたイメージで制作された作品として取り組んだ絵と治療の為の絵。
その差、優劣など私などには判りません。
それらがすべてアートと呼ばれるなら、これもまたと思います。

一枚の絵を観るような気持ちで。


No.28 黒い皿 フランス ノワール 1.jpgNo.28 黒い皿 フランス ノワール
各バラ売り 5枚有り

売約済み。sold.

直径:約22.5p


No.28 黒い皿 フランス ノワール 2.jpgフランス 19Cごろ。
窯印がありますが、はっきりと判りません。


No.28 黒い皿 フランス ノワール 3.jpg光の当たり具合で青っぽい光沢。

ごく小さなホツがあるものも有り。
裏の釉薬の剥がれは製造時の目跡。

ナイフ、フォークの使用で特に擦りキズが付いているものをあえて選んでみました。


No.28 黒い皿 フランス ノワール 4.jpg実用的に使えることが兎に角大事、使えないものは要らない、とか。
そないに実用実用言わはるんやったらなんか骨董ちごてよろしいんちゃいます〜(京都風)という感じでSession5ではやってまいりましたが、ついに普通に使えるお皿をご紹介する時が。珍事です。


No.28 黒い皿 フランス ノワール 5.jpgキュノワールと違ってノワールです。
黒いです。

ナイフで傷付いた白い線が黒地に映えます。
光の当たり具合では青い光沢がゆらゆら。

あまりにも料理と相性好く、なんかすみません…。



紹介まだまだ続きます。
No.29〜は第四弾で。
Stay tuned!
posted by papindo at 14:56| Comment(0) | 商品紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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