2013年01月27日

ひろいぐい

hiroigui1.JPGご存じ京都の事を語らせたら右に出るものなしの入江敦彦さん。
ロンドンにお住まいなので、2年半ぶりの再会。
ようやくお渡しできました。

入江さんがある方からもらわはったくらわんかの陶片。
いろんなヒトとモノ、偶然と必然とが幾重にもなって、ひとつのモノ語りになりました。

ご本人命銘「拾喰(ひろいぐい)」。
これにまつわる話を知ると、これしかない!と云えるぴったりの名前。


ハットリさん、苦悶の過程。

<序章>
ある日にこにこと陶片を持ってきはった入江さん。
「これなぁ〇くんが高瀬川で拾ったんもぅてん。全部ハットリくんのセンスに任せるし、これ活かして呼び継ぎしてほしいねん。何年かかってもいいし。〇くん驚かせたいねん、ワシ。」
全部任せるしって…。
おそろしや、生粋の京都のお人…。

「いや、出来るかどうか…。合わせる陶片が見つかるかどうか…。」とむにゃむにゃ言うてるうちに受けることになってしまったハットリさん。
きっぱり無理ですと言えない、こちらもまた生粋の京都のお人…。


<最初の1年>
これにぴったり合う陶片を探すも挫折。
託されたくらわんか碗の口径がよくあるものよりも一回り大きい、なかなか無いサイズのため、相方見つからず…。
ご協力ご助言いただいたくらわんかマニアの方々、どうもありがとうございました。

<次の1年>
煮詰まって弾けてしまったハットリさん。
アートピースのようなキテレツなものにしようか…などと悶々とする。
例えば5ミリ四方の陶片を繋ぎ合せて残りの半分を作るとか…。
しかしこれでは使用に耐えないオブジェのようなものになってしまうので、喜んでもらえないかも…と断念。

これは一から作るしかないと思い至る。
されどパテなどで作っても特には面白味がない…。
馴染みの漆屋さんに相談して、山中漆器の木地師の方を紹介してもらい、打ち合わせの上、くらわんか型木地椀をひいてもらうことに。

歪んだくらわんか陶片と真円の木地椀。
これに、入江さんとも親しくされている陶芸家の方が立杭の畑で拾わはった、入江さんのとは口径の合わないくらわんかの小さな陶片を譲ってもらい…、
合うはずのない材料ばっかり揃えて、いざ!!

hiroigui2.JPG
長くなりすぎたのでここからは省略します。

届いたばっかりの木地椀を切断。
(木地師の方、申し訳ありません…。)


hiroigui3.JPG
くらわんか型の木地椀なので、なんせ分厚い。
切るのも合わせるのも結構大変だったようです。

「お、大きさよりも厚みがっー!」、「うぅ〜、アールがっー!!」などいう叫びを隣りで何度聞いたことか。


hiroigui4.JPG
端折り過ぎてハットリさんに「これじゃあめっちゃすぐ出来たみたいやんか…」とボヤかれてしまいそうですが、ここまでに何工程もあり、これでようやく仕上げ。


構想1年、暴走想像妄想少々、制作1年。
ついに完成!

ハットリさん途中からは楽しくなってきて喜んで作っておりましたが、やはりご本人にお渡しするまでは喜んでもらえるだろうか…などと気が気でない様子でした。
先日やっとお渡しでき、1枚目の画像の通りの入江さんの笑顔でひと安心。
長き2年半でしたが、みんなを笑顔にしてくれる碗になりました、「拾喰」。

ハットリさんからの強い要望でひと言書いておきます。
「現在、この手の仕事は受けておりません。ご了承ください。骨董屋ですので。」とのことです。
やっときっぱり言わはりましたわ、生粋の京都のお人。


posted by papindo at 16:16| Comment(0) | 裏のうら | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。